ぱすてる
2009年03月07日
22:14
● 蔦(ツタ)のテクスチャを作ってみましょう~。
「物理シミュレーションBlender」
第7章「生命の模倣:木や植物のシミュレーション」より
建築CGを作る方なら、大抵お世話になっている、Ivy Generator(アイビージェネレータ:蔦景観生成ソフト)です。
物理本には、パラメタの説明や、ブレンダーとの連携方法が、丁寧に解説されています。
さすがに、ツタをスカルプにする気は起こりませんが、Blenderでレンダリングした画像なら、テクスチャ
として、持ち込めそうです。
【Ivy Generator 画面】
【レンダリングで作ったツタのテクスチャ】
ツタのオブジェクトをブレンダーに取り込んで、アルファレンダリングしてみました。
葉っぱに影も落としているので、意外と立体感があります。
アルファ値で切り抜かれているので、このままSLにアップしてテクスチャとして使えます。
建築や環境周りのちょっとしたアクセントや点景に役立ちそうです。^^
● Ivy Generator 入手
以下のURLから、ダウンロードできますが、それよりもトップページのCG作品に目が奪われてしまいます。。。
OSに合わせた、Ivy Generator本体(RAR形式)と、ツタの画像(ivy_generator_Textures.zip)を入手します。
http://graphics.uni-konstanz.de/~luft/ivy_generator/
● Ivy Generator 操作方法と、パラメタの意味
【視点操作】
ズームイン・ズームアウト 右ドラッグ
回転 左ドラッグ
オブジェクトを中心に回転 [Shift]+左ドラッグ
移動 [Ctrl]+左ドラッグ
【Sceneメニュー】
import obj+mlt
ブレンダーで出力したobj形式を読み込みます。
export obj+mlt
生成したツタをobj形式で出力します。
【growingパラメタ】
Ivy Size
ツタのスケールをオブジェクト同士の比率でコントロール
値を大きくすると、ツタ同士の間隔が開く
Primary Weight
すでに伸びている方向に向かって、伸び続けようとする度合い
Random Weight
ランダムな方向に伸びようとする度合い
Gravity Weight
重力の影響で、垂れ下がる度合い
Adhesion Weight
オブジェクトに巻きつく度合い。 巻きついていないツタは枯れる。
Branching Probability
時間経過ごとに枝分かれする度合い
Max Float Length
オブジェクトから離れたツタが、枯れるまで成長する距離
Max Adhesion Distance
オブジェクトの表面に密着したまま、成長し枝分かれ続けられる距離
【birthパラメタ】
Ivy Branch Size
枝の厚さ
Ivy Leaf Size
葉のサイズ
Leaf Density
葉の密度
なぜか値を上げるほど密度が疎になります。。。反対じゃないの?
ダブルクリックで発生開始点を決め、それぞれ、「grow」「birth」ボタンを押してツタと葉っぱを生成します。
● 【ステップ1】 Blenderで、ツタが這うオブジェクト作り
ツタが這うオブジェクトを作ります。 簡単なもので十分です。
エクスポートする全てのオブジェクトは、[Ctrl]+[J]で、一つにしておきます。
法線ベクトルは、ツタが這う面に向けておきます。
法線ベクトル(Normal)の表示方法です。
法線ベクトルを反転させたいときは、その面(フェイス)を選択して、
[ w ] -> [ Flip Normals ] です。
Blenderでモデリング中に、いつの間にか面が裏返っていることがあるので、時々Normalの向きを
確認するといいです。
● 【ステップ2】 オブジェクトを、obj形式でエクスポート(出力)
全てのオブジェクトを選択して、obj形式で出力します。
[ File ] -> [ Export ] -> [ Wavefront (.obj) ]
出力時のオプションとして、「Triangulate」を選択します。
IVyGeneratorではメッシュが三角形で形成されている必要があります。
● 【ステップ3】 obj形式を、Ivy Generatorにインポート(入力)
Ivy Generatorを起動して、objファイルをインポートします。
● 【ステップ4】 ツタの生成手順とobj形式で保存
手順自体は簡単です。
(1) ツタの開始地点を、ダブルクリックして決める。(次の作例では、右下の緑の点が開始地点)
(2) 「growing」パラメタの設定
(3) 「grow」ボタンを押して、ツタの経路を発生させる。
発生中にダブルクリックすれば、そこから再発生します。
発生中に「grow」ボタンを押すと、発生が停止します。
(4) 「birth」パラメタの設定
(5) 「birth」ボタンを押して、ツタの葉っぱを発生させる。(これは一瞬で完成します。)
設定値を名前を付けて保存できたら、便利なんですけどね。
Exportボタンを押して、ツタを保存します。(ツタ以外は保存されません。)
● 【ステップ5】 Blenderに取り込む
Ivy Generatorで出力したobjファイルを、インポートします。
[ File ] -> [ Inport ] -> [ Wavefront (.obj) ]
インポート時のオプションで、「Image Search」画像の検索をOFFにしておくと、速いらしいです。
インポートしたツタが小さいときは、「Clamp Scale」を大きくしてみるといいです。
● 疲れましたので、次回へ続く。。。です。 ><;
次回は、Ivy Generatorといっしょにダウンロードしたツタの画像をUVマッピング・レンダリングして、
ツタのテクスチャ作りの手順をご紹介します。
blender ver 2.48a Blender Foundation